技術概要

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レーザープロセスによるナノ粒子合成

当社では高出力のパルスレーザーを液体中に集光することで焦点付近において生じる非平衡な高強度反応場を用いて各種ナノ粒子を合成しています。
レーザーを照射する対象によってボトムアップ的なアプローチトップダウン的なアプローチに大別されます。

ボトムアップ的アプローチ

(当社独自手法) レーザー誘起還元法 (Pulsed-Laser Induced Reduction:PLIR )

当社独自の新規ナノ粒子合成手法です。

この手法では、金属の前駆体である金属イオン溶液中に高出力のフェムト秒パルスレーザーを集光・照射することで、焦点付近において生じる物理化学反応に起因してナノ粒子を合成します。

一般的なナノ粒子の合成手法として知られる化学還元法の際に必要な還元剤を用いることなくナノ粒子の合成が可能であることから、ナノ粒子合成後の分離・生成プロセスを必要としません。

また、複数種類の金属イオンを含む混合溶液を対象とすることで、通常の熱平衡状態では作製が困難な完全固溶合金を組成を制御して作製することができます。さらに、合成したナノ粒子の表面修飾、分散溶媒の選択、担体への担持等も可能です。

トップダウン的アプローチ

液中レーザーアブレーション法 (Pulsed-Laser Ablation in Liquids:PLAL)

液中レーザーアブレーションは20年来の技術であり世界的な広がりを見せているナノ粒子合成手法です。

同手法では液体中に浸漬した固体ターゲット表面、もしくは固体粒子を分散したコロイド溶液中にレーザー光を集光・照射することで生じるアブレーション (微細化) 反応により原材料より小さな粒子を形成することができます。

非熱特性を有するフェムト秒パルスレーザー光を用いることで、原料物質の結晶構造を維持したまま微細粒子を得ることができます。

当社では、複数種類の固体粒子が分散したコロイド溶液を対象とすることで、アブレーション反応による微細化の際に粒子の合金化反応が生じることを見出しました (特許出願中)。

既に実用化されている粒子の粒径低減、特性改善などに期待されています。